シガーボックスの起源は、他の道具とは明らかに違います。
どうやら1ヶ所で生まれたものではないようなのです。
世界各地で、同時多発的にシガーボックスが生まれた。
発表された当初は信じられていませんでしたが、今では定説となっています。
どうしてこのような現象が起こったのか。
箱民族歴史学の権威、シカクイノン・ハサミマスネン氏による説を紹介したいと思います。
“人間は、生まれながらにして角をそろえることを欲する。”
みなさんも経験はないだろうか。
パズルの最後のピースを入れる瞬間。本棚に最後の本をしまう瞬間。
角と角がそろう瞬間に、何とも言えぬ快感が走ったことが。
そう。それこそがシガーボックスを生み出した人間の本能である。
子供は積み木あそびが好きだ。それは本能からくるものなのだ。
子供は成長する。大人になるにしたがって理性が育ち、本能は抑え込まれていく。
しかしそれは抑え込まれているだけで、決して熱さを忘れてはいない。
初めは偶然だったのだろう。
どこかの誰かが四角いものを、四角いもので挟み込んだ。
それはそれは、とてつもない感動に包まれたことだろう。
なにせ、いままで抑え込まれていた本能が解き放たれたのだから。
その後人々が箱をそろえることに夢中になったのは、わざわざ語るまでもない。
当然それは、一つの地域に限った話ではない。
東アジアの港町であろうが、アメリカ西海岸の片田舎であろうが、
人間が人間である以上、シガーボックスは必ず生まれるのだ。
シガーボックスは人間の本能から、生まれるべくして生まれたのだ。
シカクイノン・ハサミマスネン
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